05年12月に起きたジェイコム株の誤発注に絡み、みずほ証券が東京証券取引所に損失額404億円の損害賠償を求めている問題で、東証は8日、執行役員会を開き、支払いを拒否することを正式決定した。みずほ証券に対し弁済拒否の回答書を送付した。同証券は、15日までに支払いがなければ損害賠償を求めて提訴する方針を示しているため、東証と会員の証券会社が法廷で争う初めての事態になることが確実となった。
誤発注は05年12月8日、東証の新興市場マザーズに新規上場した総合人材サービス業、ジェイコムの株式について、みずほ証券の社員が「61万円で1株」の売り注文を出そうとして「1円で61万株」とコンピューターに入力ミスした。
みずほ証券はミスに気付き、東証に注文取り消しを求めたが、東証のシステム不備で受け付けられなかったため、数億円で済んだはずの損失が407億円に膨らんだと主張している。【森山知実】
毎日新聞 2006年9月8日