【ウィーン藤好陽太郎】石油輸出国機構(OPEC)は10日、当地で通常総会前の有力加盟国の閣僚らによる事前会合で、加盟10カ国(イラクを除く)合計の公式生産枠を現行の日量2800万バレルのまま据え置く方針を固めた。11日の通常総会で正式決定する見通し。
事前会合に出席した閣僚らは「価格は下落してきているが、生産枠を変更する理由は見当たらない」などと述べた。出席していない国からも「現在の状況に満足している」(サウジアラビア)など生産枠維持を望む声が出ている。
原油価格は中東情勢がやや落ち着いたほか、米アラスカ州の油田操業が早期再開する見通しとなったことなどから1バレル=60ドル台後半まで下落。しかし、イランの核開発問題など価格高騰のリスクもあり、一部の加盟国から「対イラン制裁で原油輸出が停止したら、OPECは供給を埋め合わせ出来ない可能性がある」などと、緊急時の原油供給途絶を懸念する声も出ている。
毎日新聞 2006年9月11日