民間の信用調査会社、帝国データバンク名古屋支店によると、老舗の建築工事業者「中村建設」(愛知県一宮市、中村進社長、資本金9900万円)が11日、民事再生法申請の準備に入った。負債は約111億7600万円に上ると見られる。
同社は1913年創業、48年に法人化された。ビル、マンション、学校、社寺などの建築工事が主力。特に社寺建築の施工技術は評価が高く、東海3県以外の社寺からも受注を獲得。愛知万博の長久手愛知県館の建設も同社が担当し、05年9月期決算で133億9600万円を売り上げた。
しかし、手元資金の不足から外注業者への支払いを金融機関からの借入で賄っており、資金的な余裕がなくなってきていた。また、取引先の倒産で多額の焦げ付きが発生したことなどから資金繰りが悪化していた。【高塚保】
毎日新聞 2006年9月12日