神奈川県厚木市内などで03年6月、アルバイト男性宅に押し入って現金を奪ったうえ、火を放って男性を焼死させたなどとして2件の強盗殺人と現住建造物等放火などの罪に問われた住所不定、無職、曽我慶司被告(49)に対し、検察側は14日の横浜地裁の公判(栗田健一裁判長)で無期懲役を求刑した。
論告で検察側は「犯行は重大、悪質で極刑に処するのが相当だが、被告は当時、妄想の影響下にあり、心神耗弱状態にあったことは謙虚に受け止めざるを得ない」と指摘した。
起訴状などによると、相模川河川敷で野宿生活していた曽我被告は03年5月16日午後9時半ごろ、厚木市内の中津川河川敷で路上生活をしていた住所不定、無職、新谷裕さん(当時60歳)の首を絞めて窒息死させ、現金約6万円と乗用車2台を奪った。翌日、新谷さんの遺体を相模川河川敷に掘った穴に遺棄した。
さらに同年6月10日午前4時ごろ、知人だった同県座間市ひばりが丘、アルバイト従業員、斎藤健造さん(当時55歳)宅に押し入り、斎藤さんの両手足を縛って現金2万5000円などを奪ったうえ、灯油をまいて火を付け逃走。斎藤さんを焼死させるなどした。【野口由紀】
毎日新聞 2006年9月14日