日本経済新聞社の元幹部社員、森明容疑者(58)らによる助成金詐取事件で、森容疑者は複数のぺーパー会社をつくり、容疑事実のほかにも雇用創出関連の公的な助成金数百万円を受給していたことが、警視庁捜査2課の調べで分かった。同課は、この受給も経営実体があるように装った詐取の疑いがあるとみている。
森容疑者は04年7月、実体のないペーパー会社「アロール出版」が事業を行っているように装い、同社の助成金として厚生労働省所管の独立行政法人「高齢・障害者雇用支援機構」(東京都港区)から500万円をだまし取った疑いで、知人の無職、小石忠容疑者(67)とともに逮捕された。
同課によると、容疑事実の以前にも、森容疑者が設立した別のペーパー会社が、厚労省所管の別の独立行政法人から雇用創出目的の助成金数百万円を受給していた。この助成金も、アロール出版と同様、経営実体があるように見せかけて不正受給した疑いが強いという。
森容疑者は99年6月に印刷会社「アレス出版サービス」を設立。03年ごろから経営状況が悪化したため、運転資金を得るために助成金の詐取を始めたとみられる。【三木陽介、石丸整】
毎日新聞 2006年9月14日