アイルランドの代表的作家にちなんで設けられた第2回フランク・オコナー国際短編小説賞に、村上春樹さんの「ブラインド・ウィロー・アンド・スリーピング・ウーマン」が、24日(日本時間25日)選ばれた。当日、アイルランドのコークで行われた授賞式に村上さんは欠席、同書の共同翻訳者、ジェイ・ルービンさんが代理で受賞した。著者、翻訳者2人に賞金3万5000ユーロ(約518万円)が贈られる。
同賞は昨年創設され、今年9月半ばまでの1年間に英語で出版された短編集6作が候補だった。
「ブラインド」は今年7月に英国で出版され、表題作の「めくらやなぎと眠る女」など初期作品から「東京奇譚集」収録作品まで25編を収録している。同書の前書きで村上さんは「長編が森を作る作業だとすれば、短編は庭仕事」と例え、自由に実験できる短編が創作活動の重要な部分を占めると記している。
毎日新聞 2006年9月25日