茨城県取手市の中高一貫校、江戸川学園取手中・高校の生徒の父母ら42人が「校長交代を機に独自の教育内容を一方的に変更され、精神的苦痛を受けた」として、学校法人・江戸川学園(東京都江戸川区)に計約3200万円の賠償などを求めた訴訟で、東京地裁は26日、請求を棄却した。中村也寸志裁判長(河野清孝裁判長代読)は判決で「変更後の教育内容は客観的には質的に劣ったものとまではいえず、原告らの学校選択の自由が違法に侵害されたとまでは言えない」と述べた。
訴えていたのは99~04年に入学した生徒の父母ら。判決によると、同校では前校長が「論語をベースにした道徳教育」を核とする独自の教育を進めていたが、04年7月に前校長が理事会に解任され、新たに赴任した校長により教育内容が変更された。父母らは「入学用冊子でも宣伝されていた道徳教育などを受けられると信じて入学したのに、十分な説明もなく教育内容を変更された」と主張、前校長の教育内容の継続も求めていた。【高倉友彰】
毎日新聞 2006年9月26日