【北京・大塚卓也】米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)グループの日本製高級化粧品「SK-2」が中国内で販売禁止となっていた問題で、中国国家質検総局と衛生省は23日、販売禁止処分を事実上撤回した。使用禁止のクロムなどが化粧品から検出されたというのが、禁止の理由とされてきたが、「正常な状態での使用なら健康被害の危険は低い」と判断した。同社は近く中国での販売を再開する方針。
この問題は、日本が5月末から実施した残留農薬規制の強化で中国産農水産物の対日輸出が減少したことへの対抗措置ではないかとの指摘が強く、政府が外交ルートで質検総局に検査の詳細な情報提供を要請。「SK-2」を製造するマックスファクター社(本社・神戸市)も「指摘された物質は自然界に存在している。製造過程で混入した可能性は否定できないが、原材料には使っていない」と反論、中国政府と協議を続けていた。
毎日新聞 2006年10月25日