財務省が22日発表した10月の貿易統計(速報)によると、貿易黒字は前年同月比24.8%減の6147億円で、3カ月ぶりの減少になった。自動車輸出の伸びが鈍化する一方、液化天然ガスの輸入増などで輸入額が大きく伸びたことが黒字額の大幅縮小につながった。
輸出は同11.6%増の6兆5943億円で、10月としては過去最高だったが、前月に比べ伸び率は3.7ポイント鈍化した。自動車輸出額が同22.9%伸びたものの、トヨタ自動車が10月からハイブリッド車の米国生産を始めたことなどが影響し、伸び率が前月比2.9ポイント鈍化。鉄鋼、非鉄金属はアジア向けを中心に引き続き好調だった。
一方、輸入額は同17.4%増の5兆9796億円で、過去最高を更新した。運転を停止した原子力発電所があり、火力発電所向けに需要が伸びた液化天然ガスの輸入額が同50.7%の大幅増になった。原油輸入額は月中平均価格が7カ月ぶりに下落したことで同4.2%の伸びにとどまり、原油高の影響は収まりつつある。
地域別では、対米黒字が同6.7%増の7862億円で、21カ月連続の増加。対中国は2723億円の赤字だった。【坂井隆之】
毎日新聞 2006年11月22日