世界自然遺産・知床の幌別川河口付近(北海道斜里町)の海岸に大量のサンマが打ち上げられているのが見つかった。地元に長く暮らす住民は「メバルやイワシが打ち上がったのを見たことはあるが、サンマは初めて」と驚いている。
サンマは18日夜から19日朝にかけ、海岸を数百メートル埋め尽くした。オホーツク海の水温を分析した道立釧路水産試験場の丸山秀佳・資源管理部長によると、北の冷たい海水が南下し、網走沖に滞留していたサンマの魚群を追い越して知床の先端部に到達。冷水を嫌うサンマを閉じこめる形になり、逃げ場を失ったサンマが陸地に上陸してしまったらしい。
打ち上げられたサンマはヒグマやカモメなどの野生動物にとって命をつなぐ貴重な糧となっている。【高橋正博】
毎日新聞 2006年11月22日