がけ上に取り残された犬の救出に向かうレスキュー隊員=徳島市加茂名町で22日午前10時、加藤明子写す
徳島市加茂名町の眉山(びざん)ふもとの急斜面で、崩落防止用擁壁のコンクリート枠に犬が迷い込み、動けなくなっている。住民によると既に5日が経過しており、市消防局はレスキュー隊員約20人を出動させ、救出活動を始めた。
擁壁は高さ約100メートルで、約3メートル四方の格子状のコンクリート製枠が積み上げられた形状。擁壁上部の茂みから降りてきたとみられ、高さ約50メートル付近にいる。17日昼ごろ、住民が鳴き声に気付き、県徳島保健所に通報した。体長約70センチの雑種犬とみられ、生後数カ月程度。首輪は付けていない。
保健所から通報を受けた同消防局は、自力で脱出できるとみて見守っていたが、21日朝から救出活動を始めた。レスキュー隊員が近付いて網で捕獲しようとすると、犬は隣の枠に飛び移るなどして逃げ、失敗した。
22日朝から、転落時に備えた防護用ネットや麻酔銃を準備して、救出活動を再開した。現場には保健所の獣医が待機。犬の餌を手にした市民らも詰めかけ、心配そうに作業を見守った。【加藤明子、向畑泰司】