三菱地所は21日、東京・丸の内に復元を計画している明治時代のオフィスビル「三菱一号館」を2010年に美術館として開館すると発表した。「お雇い外国人」で日本の近代建築の父と言われるコンドル設計の建築を再現し、展示は建物と同時代の19世紀西洋美術が中心となる。
「三菱一号館」は1894(明治27)年に完成した、丸の内初のオフィスビルで、地上3階、地下1階のレンガ造り。耐震性に優れ関東大震災でも倒壊を免れたが、高度経済成長期の1968年、オフィス需要の増加に伴って建て替えられた。設計当時の図面や解体時の測量図、建築資材の一部が保存されていたことから、有識者の監修の下で調査、検討を進め、都心型の美術館としてよみがえることになった。
美術館は09年に完成し、翌年開館予定。800平方メートルの展示室のほか、カフェやミュージアムショップも備える。初代館長には、国立西洋美術館学芸課長などを務めた高橋明也氏が就任。19世紀の仏の画家、ロートレックのポスターなどを所蔵する。【手塚さや香】
毎日新聞 2007年2月21日 18時51分 (最終更新時間 2月21日 19時08分)