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ヤマハ発動機:幹部ら3人逮捕…ヘリ不正輸出の疑い

作者:未知  来源:毎日新聞   更新:2007-2-23 15:34:16  点击:  切换到繁體中文

 

大手二輪車メーカー「ヤマハ発動機」(静岡県磐田市)の無人ヘリコプター不正輸出事件で、経済産業省の許可を受けずに05年12月、軍事転用が可能な無人ヘリを中国に輸出しようとしたとして、静岡・福岡両県警の合同捜査本部は23日、ヘリを開発・輸出した同社スカイ事業部長、内山一雄容疑者(58)ら3人を外国為替及び外国貿易法(輸出の許可)違反の疑いで逮捕した。法人としての同社も同容疑で静岡地検に書類送検する。捜査本部は同日、同社を家宅捜索し、輸出を始めた経緯などについて追及する。【稲生陽】

 このほか逮捕されたのは、同部主査の板垣孝文(57)と鈴木昭彦(49)の両容疑者。調べでは、内山容疑者らは05年12月21日、カメラを装着すれば見えない場所でも操縦できる無人ヘリ「RMAX L181」1機を、同省の許可を受けずに中国・北京市の空撮会社「北京必威易創基科技有限公司」(BVE)に約1000万円で輸出しようとした疑い。ともに容疑を否認している。

 輸出貿易管理令(05年1月改正)や経産省令では、薬品などを噴霧できるように設計され、燃料の他に液体など20リットルを超える搭載物を運搬できる無人航空機で、(1)自律的に飛行制御及び航行能力を有する(2)視認できる範囲を超えて人が飛行制御できる機能を有する--のいずれかに該当する場合、輸出に経産相の許可が義務付けられている。

 「RMAX L181」は高度150メートルまで飛行できる多目的型機。GPS(全地球測位システム)を備え、ホバリングも容易で測量などに使われる。捜査本部は飛行試験など捜査を重ね、同機が(1)の自律航行能力があり、(2)の規制対象にも該当すると判断した。

 経産省は05年12月、ヤマハ発動機本社などを立ち入り調査。捜査本部は昨年1月、外為法違反容疑で関係約20カ所を家宅捜索した。梶川隆社長は当時、「05年12月に経産省から受けた業務審査でも法令違反はなかった。違反などとんでもない」と話していた。内山容疑者は1月、毎日新聞の取材に「規制対象になるとは思っていなかった。全く後ろめたい気持ちはない。裁判で闘いたい」と容疑を否定していた。

 ヤマハ発動機は東証1部上場で、二輪製造世界2位の大手メーカー。農薬散布用無人ヘリを87年に開発し、シェアは国内トップクラス。

 ◇軍事転用の可能性追求…捜査本部

 「家電などの方がよほど怖い。後ろめたい気持ちはない」。内山一雄容疑者は逮捕前、強硬な姿勢を崩さなかった。しかし、中国メディアはBVEがヤマ発のヘリを参考に独自に無人ヘリを開発したと報道。ヤマ発が同様のヘリ9機をBVEに輸出、代金以外に年に数千万円を受け取っていたことも明らかになっている。捜査本部は、大手メーカーの技術者集団による商行為が軍用ヘリを生んだ可能性があるとみて追及する。

 スカイ事業部は89年に新設され、総勢約40人でヤマ発では最小の事業部。うち半数は開発グループに所属する技術者集団だ。内山容疑者は99年に現職に就き、同部を統括していた。同社は製品の輸出は法律を熟知した専門部門が担当しているが、無人ヘリに限っては開発から輸出まで同部が担当している。ある幹部は「スカイ事業部が輸出まで担当したのは、事務系の社員にはヘリのことは分からず判断できないからだ」と説明する。

 同社がBVEと取引を開始したのは01年7月。以降、今回の事件と同型の「RMAX L181」を9機輸出した。ヤマ発は疑惑発覚後、記者会見などで「改造には世界レベルの高い技術が必要なので無理。違法性はない」と、軍事転用を一貫して否定してきた。一方同社に、購入代金とは別に年間数千万円規模の入金がBVEからあったことも発覚。密接な関係が浮き彫りになっている。

 さらに03年11月、中国人民解放軍と関係の深い「保利科技有限公司」にも、より性能の高い無人ヘリ1機を輸出していたことも判明している。

毎日新聞 2007年2月23日 15時00分


 

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