精密機器メーカー「ニコン」(東京都千代田区)の元技術系社員(47)が05年3月、開発中の光通信関連機器を同社から持ち出し、当時の在日ロシア通商代表部員(35)に渡したとして窃盗容疑で書類送検されていた事件で、東京地検は2人とも起訴猶予処分としたことが分かった。
元通商代表部員が帰国したままで聴取できない上、元社員は容疑を認めて反省していることなどから起訴を見送ったとみられる。元社員が渡したのは、光通信の大容量伝送システムに不可欠とされる「可変光減衰器(VOA)」で、ミサイルの誘導装置にも使われる。社内規定で機密扱いになっていた。
毎日新聞 2007年2月23日 13時12分