厚生労働省は21日、06年の人口動態統計速報をまとめた。出生数112万2278人、死亡数109万5393人で、人口は差し引き2万6885人の増。05年は速報値で4361人の減となり、初の人口減時代に突入したが、06年は再び人口増に転じた。合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子どもの数に相当)は05年に過去最低の1.26に落ち込んだものの、06年は6年ぶりに上向く見通しで、同省は「1.3台に回復する可能性が高い」と言う。ただ、人口増は一時的現象に終わるとみている。
05年に比べ、出生数は3万2041人増える一方、暖冬で死亡数が795人増にとどまったことが、2年ぶりの人口増につながった。厚労省は、景気回復に伴って05年6月からプラスに転じた男性の正規雇用数が5年ぶりの結婚数増に結びつき、それが出生数の増加となって表れた、とみている。06年の結婚数は1万7850組増の74万8017組だった。
しかし、06年の出生数は、113万人台だった04年を依然下回っている。厚労省は、06年に人口増となった理由について、05年に出生数が少なかっただけでなく、インフルエンザの猛威で死亡数が極端に増えて人口が減った反動であり、07年には再び人口減となる、と予想している。【吉田啓志】
毎日新聞 2007年2月21日 19時36分