愛知県春日井市の県立児童自立支援施設「愛知学園」(山本純一郎園長)で、窃盗容疑で逮捕された入所者の少年2人が、逮捕直前に警察署へ任意同行される姿を、他の入所者に見せていたことが23日分かった。同施設では昨年9月、女子入所者らの女性職員への集団暴行事件が起き、県は検討委員会で、施設の運営や指導方針の見直しをしている最中だった。
県児童家庭課によると、逮捕されたのは同県一宮市の中学3年男子(14)と、同県海部郡の中学2年男子(14)。2人はもう1人の当時13歳の中学2年男子と3人で、年末年始の一時帰宅後、行方が分からなくなっていた。先月12日、同県美和町内で県警津島署員に補導され、学園に戻った。この後、同施設が事情を聴いたところ、行方不明中にひったくりをしていたことが分かり、事件を起こした管轄の県警西枇杷島署に通報。2人は今月13日、同署に任意同行され、逮捕された。
当日は、入所者全員が社会科見学に行く予定だったため、最初は2人だけ残していく予定だった。だが、職員が任意同行される様子を他の入所者に見せることを山本園長に提案、園長が承認したという。2人の保護者には事前に説明していなかったという。
記者会見した山本園長は「他の子どもに、逮捕の現実を直視させることも必要ではないかと考えた。間違っていたとは考えていない」と話した。
毎日新聞 2007年2月23日 13時16分 (最終更新時間 2月23日 13時39分)