神奈川県立高1年だった横浜市港南区の小森香澄さん(当時15歳)が98年、同級生の女子生徒からのいじめを苦に自殺したとして、両親が元同級生と県を相手取り損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、両親と元同級生が東京高裁で和解していたことが分かった。元同級生が小森さんを精神的に追い詰めたことを両親に陳謝し、弔慰金30万円を支払う。
訴状によると、小森さんは吹奏楽部の同級生3人から仲間外れにされたり、言葉や態度によるいじめを受け、98年7月に自宅で首つり自殺した。
小森さんの父新一郎さん(50)と母美登里さん(50)は、元同級生3人と県を相手取り約9700万円の損害賠償を求める提訴。1審の横浜地裁判決は06年3月、元同級生1人に56万円、県に330万円の支払いを命じた。2審では県と元同級生1人と係争中だった。新一郎さんらは今後、県とも和解協議に移る。
新一郎さんらは「謝罪に8年7カ月もかかり、悲しみとむなしさを感じる。香澄が負った深い傷、私たちの心の深い傷を思い返すと『和解』の言葉のイメージとはほど遠い」とコメントを出した。【野口由紀】
毎日新聞 2007年2月23日 7時18分