岐阜県教育委員会は22日、昨年4~12月に県内の公立小中学校の児童生徒が「いじめられた」と感じた事案が1万908件あったと発表した。文部科学省のいじめの定義に沿った昨年度調査では「いじめ」の件数は年間270件で、対象期間が3カ月も短い今回の調査で約40倍に増えた。
県教委によると、同県瑞浪市立瑞浪中学校の2年生の少女(当時14歳)が自殺したことなどを受け、「身体的・心理的な攻撃を継続的に加える」など従来の文科省の「いじめ」定義とは別に、児童生徒が「いじめられた」と感じた件数を調査した。
対象校は585校で、児童生徒数は18万6044人(昨年5月現在)。無記名のアンケートを行った後、生徒や保護者との面談を通じて調べた。
その結果、小学校では児童12万5170人に対し8216件、中学校では生徒6万874人に対し2692件の計1万908件の「いじめ」が報告された。このうち9765件は、いじめが解消したという。携帯電話に匿名で「死ね」「学校に来るな」などの嫌がらせメールを送る例が増えているという。
県教委は「これほど多いとは思っていなかった。重く受け止め、早急に解決していきたい」と話している。【秋山信一】
毎日新聞 2007年2月23日 2時07分