北海道千歳市の北海少年院(加藤正男院長)で20日、院内の中学3年生11人にそれぞれの出身校の校長から卒業証書が手渡された。道内公立中学校の卒業式から1週間遅れ。一般の卒業生が高校生活に胸をふくらませるころ、院生は過去の過ちと向き合った。
院生は壇上で受け取った卒業証書を自席に置いた後、壇上に戻り整列。家族や中学校の担任が見守る中、この日の思いを大きな声で言葉にした。
「家族、学校、被害者に大変な迷惑をかけてしまいました。もう非行はしたくありません」
「普通の中学校生活が送りたかったです。人を悲しませて楽しかった自分が情けないです」
同少年院に送られてくる少年たちの非行歴はシンナー吸引、窃盗、暴行、恐喝、強盗傷害など。院内では午前6時半の起床から午後9時半の消灯まで英語、数学を学び、被害者の視点に立つ訓練や、過ちと向き合う内省の時間も与えられる。
おおむね1年の更生期間を経て退院するが、20歳までの保護観察を受けて完全な社会復帰になる。だが、退院した少年たちの2割が成人を迎えるまでに再び少年院へ戻ってくる。
ある少年は式場で「僕の更生と償いの日々は始まったばかり。もう誰も悲しませないように努力したい」と決意を述べた。【水戸健一】
毎日新聞 2007年3月21日 1時02分