一眼レフのデジタルカメラで、入門者向けの低価格モデルが相次ぎ発売されている。ソニーが昨年7月に入門機「α100」を発売し、デジタル一眼レフに新規参入したことに他のカメラメーカーが刺激を受け、対抗モデルを続々と投入しているためだ。小型軽量化や操作の簡便化を進めて女性層など新規需要の発掘を競い合っており、一眼レフ市場の拡大に貢献している。
先陣を切ったのはペンタックス。昨年7月、ソニーが参入する直前に「K100D」を発売した。「独自の手ぶれ補正機能を持つ戦略商品」(同社)で、当初は7月下旬の発売を予定していたが、ソニーが同21日の発売を決めたことを受け、急きょ同14日に発売を前倒しした。本体は7万円台に設定し、有効画素数は610万画素。
これに続いたのがキヤノンとニコン。キヤノンは9月、入門機種「EOS kiss」シリーズの新作「デジタルX」を発売した。有効画素数は従来機より約200万画素多い1010万画素で、本体は9万円前後に設定。焦点機能や連続撮影機能の向上も図った。ニコンは12月に「D40」を発売。自動的にピントを合わせるポイント数を減らすなど機能を絞り込んで、本体は同社のデジタル一眼レフでは初めて、6万円を切る水準に設定した。有効画素数は610万画素。
主要カメラメーカーのうち、出遅れていたオリンパスも来月下旬に「E-410」を発売する。有効画素数は、従来機より250万画素多い1000万画素。本体は9万円前後で、本体の重さを375グラムと「デジタル一眼レフとしては世界最軽量」(同社)を実現した。
カメラ映像機器工業会によると、小型軽量、低価格の入門機種が増えたことが追い風となり、一眼レフの国内出荷台数は06年、前年比30%増の71万7000台を記録。07年のデジカメ総市場は前年比横ばいと見られているが、一眼レフだけは同年も10%の伸びが見込まれている。【三島健二】
ソニー
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ペンタックス
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キヤノン
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ニコン
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オリンパス
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2007年3月20日