東京都新宿区高田馬場のラーメン店「麺(めん)工房茜屋」で03年9月、業務用ガスレンジから一酸化炭素が異常発生し店員ら2人が中毒死した事故で、東京第一検察審査会がガスレンジメーカー「マルゼン」(東京都台東区)部長の不起訴を不当と議決したことが分かった。議決は15日付。
事故では同店の店員、井銅雄大さん(当時25歳)らが死亡した。警視庁が業務上過失致死容疑で捜査。メーカーの担当社員と研究開発部長の2人が書類送検されたが、担当社員だけが略式起訴されていた。
議決書は研究開発部長について、事前のクレームなどから「事故機の構造に重大な欠陥があったことが容易に想定できたはず。安全に必要な注意義務を怠った」と指摘した。
議決について井銅さんの母テル代さん(62)は「会社は犠牲者を出すまでリコールなどの措置を取らなかった。議決は本当にうれしい」と話している。
毎日新聞 2007年3月23日 3時00分