世界190の国々の首脳らが、高騰する食糧問題を話し合う「食糧サミット」がイタリアで開幕しました。
初日を迎えたサミットの会場では、食糧価格高騰の影響を最も受けているアフリカ各国の演説が始まっています。
今回の食糧サミットで驚かされるのは、190を超える参加国の顔ぶれです。パン・ギムン国連事務総長の決定からわずか1カ月あまりというスピード開催にもかかわらず、日本の福田総理やフランスのサルコジ大統領、またイランのアハマディネジャド大統領と、先進国から開発途上国に至るまで異例とも言える参加者が集まったのは、この問題への各国の強い危機感を示していると言えます。
こうした多彩な顔ぶれが揃った今回のサミットでは、食糧価格高騰をめぐる諸問題について話し合います。しかし、その背景はいずれも複雑かつ構造的な課題ばかりで、一致した打開策を見い出すのは決して容易なことと言えないようです。
実は今回のサミットで最大の争点に浮上しているのが、「バイオエネルギーの問題」です。この問題については、日本などいくつかの国が「食糧生産に影響を与えている」として生産の見直しを訴えているのに対し、国家事業としてバイオ燃料の生産を推し進めていいるアメリカやブラジルなどは「影響はわずか」と反論しています。
このように、各国が抱えるエネルギー事情や食糧事情などもかかわってくるため、今後の協議は難航することが予想されます。(03日23:19)