食糧サミットが開幕しました。穀物価格の高騰が世界の貧困層を直撃し、暴動が発生する中、有効な対策を示せるのでしょうか。
南米、アフリカ、アジア、今年に入り、次々と起きる暴動。穀物価格の高騰が世界の貧困層の暮らしを直撃し、人々の怒りが爆発しました。
「私たちはこれを売っているんです。これが商売なの」(女性)
女性が作っているのは、泥にバターや塩を混ぜてつくったクッキー。ハイチでは、この「泥クッキー」で飢えをしのぐ人が増えています。一日2ドル以下で暮らす国民が75%を占めるハイチ。主食である米は、8割を輸入に頼ります。価格高騰は米の供給システムを破たんさせました。
こちらの小学校では、食料の在庫が尽き、5月10日に給食の支給が中止されました。WFP=世界食糧機関が学校給食の支援を行うカンボジア。ここでも米が高騰。予算不足で食糧の配給が止まりました。カンボジアの農村地帯で学校給食は子供たちの貴重な栄養源。「給食打ち切り」は学校に来なくなる子供を増大させ、食糧危機が教育システムを揺るがしています。
シカゴ市場では、去年から今年にかけてトウモロコシや大豆などの穀物で軒並み最高値を更新し、高騰が続いています。
本来、需要と供給のバランスで決まるはずの穀物価格。中国やインドなど新興国での需要が増え、気候変動やバイオ燃料への穀物転用に伴う供給不足が指摘されますが、それだけでは説明がつかない事態が起きています。
「大量の資金が株式市場を離れ、商品市場に流入しています」(穀物トレーダー)
金融商品化した穀物が投機の対象となり、価格高騰に拍車をかけていると言います。その日の食事にも事欠く人々が増え続ける中、一部の投資家や穀物商社などが確実に利益を上げています。(03日18:04)