アメリカの5月の失業率が前の月に比べて0.5ポイントも悪化しました。これを受けて、市場ではアメリカ経済の先行きに再び不透明感が広がり、6日のニューヨーク株式市場は急落し、原油も最高値を更新しました。
アメリカ労働省が6日発表した5月のアメリカの失業率は5.5%と、前の月から一気に0.5ポイントも大幅に悪化しました。雇用情勢をより正確に反映する非農業部門の就業者数も、5月は4万9000人の減少で、この5ヶ月でアメリカから32万人分もの職が失われた計算です。
「これは明らかに経済の減速を示しています」(アメリカ ブッシュ大統領)
これを受けて、ニューヨーク株式市場では再び景気先行き懸念が強まり、ダウ平均株価は394ドルほど下落し、去年2月以来という下げ幅を記録しました。また、外国為替市場でドル安が進んだことから、ニューヨークマーカンタイル市場の原油先物価格は一時1バレル=139ドル12セントまで上昇し、史上最高値をおよそ2週間ぶりに更新しています。
このところアメリカでは、金融不安が一時より落ち着いたことから景気に対する楽観的な見方が広がっていましたが、この日の各市場の急激な動きは、直面している事態の深刻さを改めて認識させるものになりました。(07日10:47)