【ブリュッセル=御調昌邦】北大西洋条約機構(NATO)は5日の国防相理事会で、最短2日程度で展開させる新設の緊急即応部隊について5千人規模の旅団とすることで合意した。有事には同部隊に続き、2旅団を派遣させて態勢を整える。即応能力は現在の1万3千人規模から約3万人に増強する。
NATOが即応能力を強化するのは、欧州の東部でロシアが軍事的な圧力を強めていることに加え、中東で過激派「イスラム国」の脅威が増していることが背景にある。
ストルテンベルグ事務総長は記者会見で「緊急部隊は先陣が48時間以内に展開できるようにし、残りも1週間以内に動く」と説明した。緊急部隊は空軍や海軍、特殊部隊の支援を受ける。
緊急部隊などを動かす指揮統制部をバルト3国やポーランドなど6カ国に設置することも決めた。フランスやドイツ、英国など6カ国が輪番制で主軸となる。