グローバル市場分析機関のIDCと浪潮電子情報産業股フン有限公司（フンはにんべんに分）がこのほど共同で発表した「2020-2021年中国人工知能計算力発展評価報告」によると、2020年の中国の人工知能（AI）インフラ市場の規模は前年比26.8％増の39億3千万ドル（1ドルは約103.5円）に達する見込みという。「経済日報」が伝えた。

IDC企業研究部門の周震剛補佐副総裁は、「当社の予測では、今年の中国AI市場の全体的規模は約63億ドルになり、24年は172億ドルに達するとみられる。現在、AIサーバー市場の規模がAIインフラ市場全体に占める割合は87％以上だ。予測では、中国製AIサーバーは急増傾向を保ち、24年には規模が78億ドルに達するだろう」と述べた。

データ資源、演算能力、コアアルゴリズムがAIの3大基本要素であり、いずれも計算処理能力のバックアップが欠かせない。浪潮の劉軍副総裁は、「AIアルゴリズムの目覚ましい発展にともない、ますます多くのモデルトレーニングが非常に高い計算処理能力のバックアップなしには迅速かつ効果的に行えなくなり、計算処理能力は未来のAI応用がブレークスルーを達成できるかどうかの決定的要因になる。アルゴリズム、データ、計算処理能力は互いに促進し合い、互いに発展し合うプロセスにある。現在、AIの産業化と産業のAI化が従来型産業のモデル転換・高度化を推進するとともに、産業を再編しているところだ」との見方を示した。

周氏は、「現在、中国全体で情報技術（IT）産業への支出は米国の約40％だが、サーバーの計算処理能力は米国の約60％、AIの計算処理能力は米国の約80％になる。世界のAI計算処理能力の発展状況から考えると、2020年には中国のAIサーバーが世界のAIサーバー市場で3分の1前後を占め、中国は世界のAI産業発展における中堅パワーとなり、これは側面から1つの国の最先端のイノベーション能力を反映するものだ」と述べた。

20年の中国AI都市ランキングのトップ5には、上から順に北京、深セン、杭州、上海、重慶が並んだ。また多くの都市がそれぞれの産業の優位性と各種の要因に後押しされて、AIの応用で大きな進展を遂げた。たとえば東莞のスマート製造、武漢のスマート医療、合肥のスマート農業などがあり、中国のAI都市は発展して全国各地で花を咲かせている。今後は各都市の特徴と結びついたAIモデル区がますます多く登場して、産業の発展に向けたベンチマークを打ち立てるとみられる。（編集KS）

「人民網日本語版」2020年12月25日