20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の声明文には、日本とユーロ圏の経済が「最近改善している」との判断が盛り込まれた。前回2月の声明文では日欧の成長が「緩慢」だと異例の注文を付けたが、強力な金融緩和による足元の景気回復を受けて、日欧の政策対応にひとまず及第点を与えた格好だ。
日本経済は円安による企業収益の改善などを手がかりに再び持ち直しつつある。日経平均株価が一時15年ぶりに2万円を超えるなど強気の見方も広がっており、黒田東彦日銀総裁は「消費増税の影響は収束しつつある」と手応えを語った。
もっともルー米財務長官は持続的な成長に向け「(日本は)あらゆる政策手段を」と注文も付けた。米国内では規制緩和などの成長戦略の加速のほか、行きすぎた財政緊縮策を取らないように求める声がある。
声明文では、世界経済について「成長は緩やかなままであり、一様でない道筋をたどっている」との認識を示した。米英の高い成長を評価する一方、新興国は「依然ばらつきがある」とした。原油安の影響は「全体としてプラス」と指摘した。