住友商事が1日発表した2015年3月期の連結決算(国際会計基準)は最終損益が731億円の赤字(前の期は2230億円の黒字)と16年ぶりに赤字となった。資源開発など3103億円の減損損失を計上した。同日発表した伊藤忠商事の純利益は23%増の3005億円だった。資源損失を食料の伸びで補った。
住友商の減損は米シェール関連で1992億円、ブラジルの鉄鉱石開発で623億円など。海外の電力、リース事業の伸びでは補えなかった。
16年3月期の最終損益は2300億円の黒字に転じる見通し。輸送機やインフラ事業が伸びるとみている。猪原弘之・最高財務責任者(CFO)は「原油価格は反転しない」と述べ、資源開発や油井管は低迷が続くとの見方を示した。
伊藤忠は畜産や穀物集荷など好調な食品事業が資源関連の損失950億円を補った。中国の投資先の株式の再評価益といった一時的な利益1000億円強も支えた。
16年3月期の純利益は前期比10%増の3300億円と2期ぶりの最高益更新を見込む。同時に発表した中期経営計画では18年3月期に純利益4000億円を目指す。出資を決めた中国中信集団(CITIC)との提携を軸に「中国の企業に日本のアパレルや食料品を持ち込む」(岡藤正広社長)方針。配当政策では新たに下限を設け、16年3月期の50円(前期比4円増)から1年ごとに5円ずつ切り上げ、18年3月期は最低60円を払う方針を示した。