東芝は13日、一部のインフラ工事で不適切会計があった問題で、現時点での業績への影響を発表した。株価が急落するなど株式市場で不安が強まっていたことに配慮したものだが、影響は今後さらに広がる可能性があり、先行きへの懸念はなおくすぶりそうだ。
13日午後11時45分と異例の遅い時間の発表となった。「少しでも早く分かっている状況を説明すべきだと判断した」(同社)という。発表で「投資家の皆様には多大な心配と迷惑をかけ心からおわびする」とした。
2014年3月期までの3年間に累計500億円強の利益がかさ上げされていた可能性があるという。これは東芝単独のインフラ関連工事にかかわるものだけで、今後、第三者委員会を通じて他の事業も含めた全社的、網羅的な調査が必要になっており、影響がどれだけ広がるかが焦点になる。
業績予想の取り下げなどを受け、東芝の株価は11日に前営業日比17%安の403円30銭と一時制限値幅の下限(ストップ安水準)に沈んだ。その後やや反発したものの、13日終値も8日に比べ13%安の水準だ。
「決算内容の信頼性は投資の前提条件で、今は保有リスクが高い」(国内投資顧問)と市場では懸念が膨らんでいる。