2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場(東京・新宿)の整備費用をめぐり、下村博文文部科学相は18日、東京都の舛添要一知事と都庁内で会談し、都が費用の一部の約500億円を負担するよう要請した。
下村文科相は、資材の高騰などで競技場の総工費が国の想定した1692億円を上回り、メーン会場となる予定の19年のラグビーワールドカップ(W杯)に完成が間に合わない可能性があると説明した。
その上で整備費の減額や工期短縮を図るため、競技場の開閉式屋根の設置時期を五輪後に後回しし、全席を常設する予定だった観客席も一部を仮設とする考えを示した。
会談で下村文科相が「必ず間に合うように調整しているが、都にも費用の一部をぜひ負担してほしい」と求めたのに対し、舛添知事は「五輪の成功は国民の願い。都としてもできるだけ努力したい」としつつも、「税金を払うのは都民。細かい説明を聞いたうえで、検討に入りたい」と負担を受け入れるかどうかは明言しなかった。
競技場は本体の解体作業がほぼ終わり、10月に着工し、19年3月に完成予定。東京五輪の開会、閉会式などが行われるメーン会場となる。
競技場は英国の建築家が設計し、当初案では天候にかかわらず使用できる開閉式屋根と、約8万人を収容できるスタンドを備える施設となっていた。