廃炉作業を続ける東京電力福島第1原子力発電所(福島県)の敷地内に作業員向けの大型休憩所が完成し、1日に開所式が開かれた。建物内の食堂で温かい食事を提供できるようになり、同原発の小野明所長は「労働環境を改善し、作業の安全につなげたい」とあいさつした。
休憩所は同原発の正門近くに置かれ、鉄骨9階建てで延べ床面積約6400平方メートル。作業員の汚染検査などをする「入退域管理施設」とは2階の渡り廊下でつながっている。窓がないため、建物内では防護服の着用は不要という。
1階には内部被曝(ひばく)線量測定器を配備し、3階の食堂では昼・夕食向けに定食や麺類、丼物などのメニューを1日約3000食提供する。同原発から約8キロ離れた福島県大熊町内の給食センターで調理し、運び込む。食材は同県産を原則使用する。4~7階は休憩スペースで、協力会社の作業員ら約1200人が利用できる。
作業員らの食事はこれまで、弁当やおにぎりなどがほとんどだった。この日、温かい食事に笑顔を浮かべる作業員の姿が見られた。
同原発では1日当たり約7000人の作業員が働いている。