1号機格納容器の底近くの水中で撮影されたバルブや配管を支える構造物=18日、国際廃炉研究開発機構提供
東京電力は19日、福島第一原発1号機の原子炉格納容器に入った調査ロボットが撮影した画像を公開した。格納容器の底にたまった冷却水の中にバルブや配管がくっきりと写り、2年前の調査と比べて水の透明度が改善していることが分かった。今回の調査は水中に沈む溶け落ちた核燃料の広がりを調べるのが目標で、透明度が最大の懸念だった。東電は20、21の両日、核燃料が存在する可能性がある付近を探る。
原子炉格納容器にロボ投入 福島第一、核燃料の状態探る
ロボットによる調査は4日間の予定で18日に始まった。東電が公開したのは18日の調査で得られたデータ。格子状の作業用足場の隙間から、カメラと放射線量計が一体となった計測器を冷却水の中に垂らしたところ、格納容器の底まで約1メートルの付近で茶色くさびたバルブや配管が写った。その先には、うっすらと格納容器の底のようなものも見えた。
2015年に水中カメラを入れた時は、水が濁っていたり、浮遊物があったりして視界が悪かった。東電は冷却水を循環させ続けたことで浮遊物が減ったとみている。
計測された線量は、作業用足場上で毎時7・8シーベルト、水中で毎時1・5シーベルト。東電はこの線量データだけで核燃料があるかは判断できないとしている。(東山正宜)