三菱UFJフィナンシャル・グループなど3メガバンクは13日、持ち合いなど長期保有株の削減目標を正式に発表した。今後3~5年で2兆円規模を売却して、株価が財務基盤を揺さぶるリスクを減らす。持ち合いが減れば企業経営に規律が働きやすくなるとの見方もある。
三菱UFJと三井住友フィナンシャルグループは今後5年で自己資本に対する持ち合い株の比率を下げていく目標を掲げた。3メガは欧米の大手行に比べてこの比率が高く、株価下落時に自己資本比率が低下して、貸し出しなどのリスクを取りづらくなる弱点を抱える。
三菱UFJは中核的自己資本に対する割合を19%から10%に、三井住友は普通株など狭義の中核的自己資本に対する割合を28%から14%に下げる。現時点では三菱UFJは保有株の3割に当たる約8000億円、三井住友は3割の約5000億円の削減を見込む。
みずほフィナンシャルグループは保有株の4割(約7800億円)を削減必要額と定義。このうち7割にあたる5500億円を2018年度末までに売却する。5500億円のうち4~5割は16年度末までの売却をめざす。
3メガとも取引先企業と売却交渉を本格化する。銀行に安定株主の役割を期待する企業も多く「ゆっくりと丁寧に話をする」(三井住友の宮田孝一社長)、「一定の時間をかけてリスクを落としていく」(三菱UFJの平野信行社長)という。みずほの佐藤康博社長は「売却に向けた議論を始めているが、相当手応えがある」と語った。