総務省は13日、地方自治体が出す地方債の発行条件の緩和を正式に決めた。同日、有識者研究会が制度見直しの報告書をまとめた。財政の健全性で規定する事前の届け出だけで発行できる条件を緩める。一方で、投資家が財政の状態を判断しやすいように指標も整備する。資金調達の自由度を高めつつ、市場など外部の評価を踏まえた財政運営を自治体に促す。
同省は報告書を踏まえ、関連法などの改定作業に入る。新しい制度を始める時期は今後詰める。
地方債は財政の健全性が高ければ国などに届け出るだけで発行可能だ。ただ、財政に対する借金の大きさを示す「実質公債費比率」が16%以上など一定の基準を上回ると、国などとの協議や許可が必要になる。
見直しでは、届け出の基準を「実質公債費比率」で16%未満から18%未満に引き上げる。退職金の支払い予定額などの大きさを示す「将来負担比率」も同じように基準を引き上げる。
自治体の裁量を広げる一方で、投資家や議会、住民など第三者が財政状況をきちんとチェックできる環境も整える。公共施設の老朽度合いを測る「資産老朽化比率」や負債を何年で解消できるかを示す「債務償還可能年数」など、自治体間で比較できる指標をつくる。