環境省は、効能に優れた保養地として全国92カ所を指定している「国民保養温泉地」に急増する訪日外国人客を呼び込もうとPRを強化する。案内表示の充実などを支援するほか、指定地域での国際会議招致も目指す。最近の客足低迷をてこ入れする狙いだ。
ホームページなどを通じて国内外に健康増進効果をアピールするほか、受け入れ態勢の整備に向け、効能や入浴作法に関して外国人への適切な案内や表示の在り方を検討する予定だ。
温泉の効能に関する国際会議やスポーツと組み合わせたイベントの招致も視野に入れている。
特区制度を活用し、外国人医師による診療と組み合わせた「医療ツーリズム」(八幡平温泉郷の玉川温泉がある秋田県仙北市)など先進的な取り組みを広げるため、関係地間で情報共有を図る。
指定地域の中には「人間ドックと宿泊をセットにしたツアーに、外国人を呼び込むにはどうしたらいいか分からない」(湯原温泉がある岡山県真庭市)といった声も出ており、国としてサポートする。省内に窓口を設け、活用できる補助制度を紹介する。
国民保養温泉地は効能に加え、自然環境に恵まれ、歓楽街ではないことなどが指定の条件。宿泊客は2000年度の延べ約1500万人をピークに、近年は800万人台に減っている。〔共同〕