【ロンドン=共同】国際陸連の倫理委員会は7日、ドーピング隠蔽に関与した規定違反でディアク前会長(セネガル)の息子で国際陸連のコンサルタントだったパパマッサタ・ディアク氏ら3人に最も重い永久追放処分を科した。ロシア陸上界の組織的なドーピング問題は国際陸連の内部腐敗にもメスが入り、波紋がさらに広がりそうだ。
倫理委は報告書でロシア陸連のバラフニチョフ前会長ら幹部との癒着体質を指摘し、「不誠実な行為で前代未聞のダメージだ」と糾弾した。分割払いで賄賂を要求して選手を揺さぶる隠蔽システムの構図は、口封じ目的で選手に返金する際には海外の銀行口座も使うなど、周到に実行された。
この問題に関連し、ディアク前会長も2012年ロンドン五輪の前年に、少なくともロシアの6選手のドーピング違反をもみ消す見返りに約100万ユーロ(約1億2900万円)の賄賂を受け取った疑いを報じられ、フランス司法当局の捜査を受けている。世界反ドーピング機関(WADA)が14日に公表する第三者委員会の第2回調査報告書では、ディアク前会長の不正疑惑まで踏み込めるのかが注目される。
国際陸連は10、11日に反ドーピングの専門家らで構成した調査チームをロシアに初めて派遣し、資格停止処分を科している同国陸連の組織再建への取り組みをチェックする。先行き不透明な中、8月のリオデジャネイロ五輪出場の可否を判断する報告書を3月にまとめる。