東京電力福島第1原発事故に伴う避難区域の一つ、福島県川俣町山木屋地区の若者でつくる和太鼓チーム「山木屋太鼓」が3月、米国で公演する。メンバーは「復興に向かう福島の今と、私たちの強い気持ちを多くの人に伝えたい」と稽古に励んでいる。
山木屋は人口約1200人で、標高500メートルほどの山あい。第1原発から約40キロの距離があるが放射線量が高くなり、全住民が地区外へ避難を強いられた。
長く伝わる和太鼓を継承させようと2001年、小中学生の太鼓クラブが発足。08年からチームとしての演奏活動を始め、現在は10~20代の男女17人の打ち手がいる。避難暮らしをしながら学校や仕事を終えた夜、町の公民館で練習する。
代表でプロ奏者の遠藤元気さん(27)が昨年夏、米ミシガン州に単身渡り、米側ミュージシャンと交流。現地に住む映像作家・椎木透子さんの橋渡しもあり、公演の話が持ち上がった。
遠藤さんは「福島の現状や僕たちの思いを海外で直接発信できるいい機会。将来は世界中から人が来るようになってもらいたい」と話す。現地時間の3月22日、ミシガン州南東部の都市アナーバーで公演する。〔共同〕