平均台で演技をするルーマニア代表の選手=AFP時事
体操のリオデジャネイロ五輪最終予選が17日、ブラジル・リオデジャネイロであり、女子団体でルーマニアが7位に終わり、上位4カ国に与えられる出場権を逃した。ルーマニアは「白い妖精」と呼ばれたナディア・コマネチを擁した1976年モントリオール五輪以降、五輪の団体でメダルを逃したことがなかった。
ルーマニアは昨年の世界選手権で13位に沈み、上位8カ国が得るリオ五輪出場権を獲得できなかった。この結果を受け、団体金メダルに輝いた2000年シドニー、04年アテネ両五輪で監督だったオクタビアン・ベル氏を代表チームに呼び戻した。また、アテネ五輪で3個の金メダルを獲得したカタリナ・ポノル(28)が現役復帰した。
だが、昨年の世界選手権個人総合銅メダリストのエース、ラリサアンドレーア・イオルダケ(19)が3月に左手薬指の骨折で離脱。この日、チームは段違い平行棒で低調だったのが響いた。ポノルは画像投稿サイトのインスタグラムに「今日は悲しい日。このために戻ってきたのに……」とつづった。
ルーマニアは1989年にチャウシェスク独裁政権が崩壊した後も新政府が「ステート・アマ(国家養成選手)」の制度を残した。ただ、近年は他の旧社会主義国と同様、強化費が削減され、優秀な指導者は海外へ流出。イオルダケに続く若い選手も育っていなかった。