中国国家博物館はこのほど、13ヶ月かけて企画・製作した文化財をテーマにした初の謎解き本「博楽·元宵行楽」をリリースした。 同書は同博物館が所蔵している「明憲宗元宵行楽図」をテーマに、複数の専門家がノンフィクションの史料に基づいて編纂。500年前の明(1368-1644年)の時代の物語と現代社会の現象が融合されているほか、緊密に絡み合うストーリーラインを中心に、文化財、歴史、脱出ゲーム、謎解きゲーム、誘拐犯との頭脳戦などが一体となっている。
「明憲宗元宵行楽図」は、明の時代の画家(名前は不詳)が製作した絹本・設色画。縦690センチ、横37センチで、国家博物館が所蔵している。同絵は成化二十一年(1485年)、明朝の第9代皇帝・憲宗・朱見深が内廷で元宵節(旧暦1月15日)を盛大に祝う様子が描かれており、宮廷の生活が描写される風俗画となっている。
しかし、作家・沈従文は著書「中国古代服飾研究」の中で、「『明憲宗元宵行楽図』は、宮廷が春節(旧正月)を祝う様子を描いている。宮の中で君主を気取る皇帝は、本当に孤独で、つまらない様子で、うすい黄色の袍を着て、黄色いシルク素材のテントの下に置かれた椅子に座ったり、欄干に寄りかかったり、遠く離れた所に立っている嬪、妃、子女とお祝いを見ている」と分析している。
このように、非常に賑やかな状況を描くことで、「孤独」を一層際立たせている絵は、いろんな想像をかきたててくれる。謎解き本製作チームは、それら全てを一つの物語にして、ゲームの主人公の視点から謎を解いていくことができるようにしている。また、貴重な文化財約10点も濃い霧の中に潜めた真実の手がかりを見つけ、謎を解くためのツールとして復刻されている。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年12月21日