遺体で見つかった女性の自宅近くの県道(手前)。女性がメッセージを送った時間帯は、街灯の明かりが届く所以外は暗く、人通りが少なかった=22日午後7時58分、沖縄県うるま市、上田幸一撮影
大型の商業施設、港の工場、新旧の住宅……。それらが混在する沖縄本島中部、うるま市の東海岸。一帯の雰囲気は、リゾートホテルが並ぶ本島西海岸のそれとはかけ離れている。
元米兵の女性遺棄事件
元米兵で軍属の男が死体遺棄容疑で逮捕された事件。先月末に行方不明になり、3週間後に遺体で見つかった被害女性(20)は、同市の住宅地で暮らしていた。「ウォーキングしてくる」。女性が同居男性にスマートフォンでメッセージを送った午後8時ごろ、記者は周囲を歩いてみた。
市内を通る道路は、人影がまばらだ。10分ほど歩くと、ウォーキング中の男性とすれ違った。67歳。毎夜1時間歩くのが日課という。「若い人も含め、ウォーキングをする人は結構いますよ。でも、米兵を見かけることは少ない」
確かに、米兵向けのバーが並ぶような「基地の門前町」はない。だが、市内には米海兵隊、キャンプ・コートニーなど米軍の陸海空・海兵隊の「四軍」施設が集まる。隣接する自治体には嘉手納飛行場など広大な基地もある。
キャンプ・コートニー前で往来する車を数えてみた。15分間で、一般車209台、「Yナンバー」など米軍関係車が53台。5台に1台が軍関係だった。
ウォーキング中の男性が言った。「この辺りは、沖縄のどこにでもある町。そこで事件が起きたからこそ、県民はおびえているんです」