高島屋大阪店の免税カウンターは多くの外国人で混雑していた=大阪市中央区
関西を訪れる外国人のお金の使い方が変わってきた。買い物の中心はこれまでの高額品から化粧品などの日用品へと移り、テーマパークなど娯楽への支出も増えている。富裕層ではない人々やリピーターの割合が増えたことが影響しているようだ。
大阪・ミナミの高島屋大阪店。7階にある免税カウンターは平日夕方でも多くの外国人客でにぎわう。同店で5月に扱った免税件数は前年同月比約3割増えた。一方で、金額は約1割の伸びにとどまった。広報担当者は「高額品から化粧品などに買い物がシフトし、1人あたりの買い物金額が減った」と話す。
日本銀行大阪支店の分析でも同じ傾向がうかがえる。17日に発表した関西の訪日外国人動向によると、今年1~3月に関西空港から入国した外国人のうち、中国人が使ったお金は1人当たり約14万4千円。1年前に比べると約3万円減っている。とはいえ、韓国人が使うお金の10倍で、訪日外国人全体の消費額の6割以上を中国人が占める。
中国からの旅行者の購入品をみると、時計やカメラなどの高額商品の購入割合が2年前の38%から24%に低下した一方で、化粧品や医薬品などの日用品の割合は25%から45%に増えた。
関空と中国内陸部を結ぶ路線が増えたことで、年収10万元(約158万円)未満の旅行者が増えていることや、リピーター客が増えていることが原因とみられる。中国人客に普及する銀聯(ぎんれん)カードの利用規制も影響している可能性があるという。