生産を再開した水島製作所の軽自動車の組み立てライン=4日午後、岡山県倉敷市、新田哲史撮影
三菱自動車が4日、燃費偽装問題で止めていた軽自動車の生産を岡山県の工場で再開した。地元からは歓迎の声が上がるが、雇用への影響は続いている。三菱自の従業員約400人は8月末までは休業する見通しだ。取引先への部品の新規発注は7月末からで、休業を余儀なくされる下請け企業の従業員も少なくない。
三菱自、水島製作所で軽の生産再開 2カ月半ぶり
特集:三菱自動車の燃費偽装問題
三菱自は9月から生産台数を本格的に増やす計画だが、軽がどの程度売れるか分からず、雇用への影響が長引く恐れがある。
岡山県倉敷市の水島製作所では、燃費偽装があった「eKワゴン」など軽4車種をつくっていたが、4月下旬からストップ。一部の乗用車などを生産していた。再開初日となった4日は、長さ約930メートルの組み立てラインを試験的に動かし、設備などに問題がないか調べた。この日は点検が中心で、完成したのは5台だった。
須江隆行所長は「やっと車がつくれる。従業員も不安だったと思うが一つの区切りがついた」。岡山県の伊原木隆太知事は「想定していたよりも早く生産が再開された」とのコメントを出した。
ただ、仕事をしたくてもできない人は多数残る。三菱自で休業していた従業員1300人のうち戻ったのは900人。生産停止前は1日昼夜2交代の勤務態勢だったが、しばらくは昼勤務だけにする。勤務と休みを1週間で交代させ、400人は休業が続く。
三菱自は今後も品質の確認など…