熊本地震の犠牲者を悼み作った49体の人形を「熊本・大分応援フェア」でお披露目した佐藤景一さん=6月26日、福岡県うきは市提供
熊本地震の犠牲者を悼み、福岡県うきは市の佐藤景一さん(66)が、熊本県内で直接犠牲になった人の数と同じ49体の人形を制作した。1体は高さ8センチ、横6センチほど。「被災地復興に役立てて」と市に寄託した。高木典雄市長が8月に熊本県に届ける予定だ。
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佐藤さんは県土地改良事業団体連合会(福岡市)を退職後、自宅のあるうきは市で市の臨時職員として昨年3月まで勤めた。2012年7月の九州北部豪雨時には、測量や設計の技術をいかし、復興作業の先頭にも立った。一方、市内の自宅横に工房を作り、二十数年来、趣味で陶芸の技を磨いてきた。
4月14日に発生した熊本地震。災害復興を仕事にしてきた佐藤さんは、家屋が倒壊した被災地のニュース画像を見て「何かしなければ」と思った。60代の身とあって「体力が持たず、被災地で迷惑をかけることにならないか」と現地入りをためらい、発生の約1週間後、現地入りを断念。「地元でできることを」と粘土を使い、追悼の人形作りを始めた。
犠牲者の顔写真や生前のエピソ…