渡辺元智・横浜前監督
■第1試合 佐久長聖―鳴門
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開幕試合は独特な雰囲気がある。私は監督として経験していないが、何度か放送席から見させてもらった。常連校であっても、ふだん通りの野球をすることは難しい。大切なのは備えの野球、そして瞬時の判断。そのためには選手に任せるのではなく、監督が明確な指示を出してあげることだ。内野手は分かっていても外野手まで浸透していないこともある。選手は一生懸命だから視野が狭くなってしまう。試合は一瞬で流れが変わる。意思の疎通ができている方が勝機をつかむ。
(渡辺元智・横浜前監督 春夏通算5度の優勝、1998年に春夏連覇)
■第2試合 出雲―智弁学園
智弁学園にとっては春夏連覇への大切な初戦。奈良大会は苦戦続きだったが、エース・村上の存在が大きい。球速140キロ台の直球に加えて変化球も多彩で、投球術を身につけている。選抜大会で開幕試合を経験している強みもある。一方の出雲は、春夏通じて初出場。重圧を感じるだろうが、無欲でぶつかっていくことだ。村上の攻略は容易ではない。島根大会6試合で23犠打、18盗塁の機動力を生かしたい。まずは出塁して、自分たちが得意とする、つなぎの野球に徹することだ。
(山下智茂・星稜元監督 1995年全国選手権準優勝)
■第3試合 九州国際大付―盛岡大付
似通ったチームという印象を受ける。エースが固まらないなど、両校とも未完成のまま夏に入り、地方大会を勝ち上がった。九州国際大付の打線は上位から下位までまんべんなく数字を残しており、盛岡大付も1番の石橋、5番の伊藤らを中心に活発。お互い打力はあるだけに、投手起用、継投のタイミングが大きなポイントだろう。開会式の日の第3試合。私も選抜で第1日の第3試合を経験したことがあるが、1日が長い。プレーボールまでの時間の過ごし方にも工夫が必要だ。
(原田英彦・龍谷大平安監督 1997年全国選手権準優勝、2014年選抜優勝)