力投する智弁学園先発の松本=井手さゆり撮影
(19日、選抜高校野球 智弁学園9―0熊本工)
試合詳細はこちら
動画もニュースも「バーチャル高校野球」
最後の打者を三邪飛に打ち取り、智弁学園の背番号「1」の松本が笑顔でグラブをぽーんとたたいた。「自分でも思った以上によかった」。被安打3で12奪三振。今大会の完封勝利一番乗りで、自身でも公式戦初の完封勝利だった。
昨春はエース村上の活躍で選抜初優勝を果たした。だが、今年のチームについて小坂監督は「絶対的なエースはいない。打たないと勝てない」と奮い立たせていた。そこにアクシデントが起きる。1月、松本が今年最初の練習で右ひざを痛めた。ブルペンで投げ始めたのは2月下旬。練習試合は2試合で計7回を投げただけで、間に合わせた。
そんな不安を抱えたなかでの完封勝利。小坂監督も「出来過ぎです」と喜ぶ快投だった。連覇に向けて、松本も「村上さんのように、ピンチでも笑顔でみんなに声をかけていきたい」と自信をつけた。(坂名信行)
◇
○小坂監督(智) 「今年は打撃と走塁でいくと選手には言っていた。徹底して、よくやってくれた」
○西岡(智) 一、三回に適時打を放った3番打者。昨秋は4番の重圧に苦しんだが、「今はつなごうという気持ち。次の試合も貢献したい」。