2020年東京五輪・パラリンピックで使われ、大会後に取り壊す仮設施設の整備費について、小池百合子・東京都知事が「都内分の1千億~1500億円は都が負担する」と書いた文書を国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長に渡したことが20日分かった。
仮設施設の整備費は約2800億円と推計され、大会組織委員会が負担する当初計画から約4倍に膨らんでいる。都の調査チームは9月末、都や国などが分担し、都は1500億円程度まで負担する案を報告書にまとめていたが、組織委や国との負担割合は協議中の段階だ。
文書はチームを統括する上山信一・慶応大教授が作り、小池氏が確認して、18日のバッハ氏との会談時に渡された。突然の「提案」が決定事項と受け取られる可能性があるが、小池氏は20日、「都として決めたものではない。調査チームの考え方として示した」と説明した。組織委は「本件について存じ上げません」とコメントした。
文書は「Governor’s Office(知事室)」名で書かれたが、都は20日夜、この部分を削除して訂正すると発表した。IOC側には今後、訂正済み文書への差し替えを要請するという。(野村周平、末崎毅)