ヤフー本社内のオフィス。机は弧を描いたり、ジグザグに配置されたりしていた。社員がわざとぶつかりやすくすることで、会話の機会を作る狙いだ=東京・紀尾井町
IT大手ヤフーが将来的に週休3日制を導入する検討を始めた。仕事をAI(人工知能)に置き換えて可能にする。アイデア勝負のIT業界では、独創的な発想につながる働き方改革が進んでいくことになりそうだ。
■「人間は創造性の豊かなことを」
「週休3日制の話はどうなるのでしょうか」「実現できたらいいですね」
ヤフーがこの秋、社内向けに実施してきた人事策の説明会。社員の関心は、もっぱら同社が検討を打ち出した週休3日制に集まる。
同社は現在、土日が休みだが、近い将来、1週間のうち好きな2日を選んで休めるようにする。その後、時間あたりにできる仕事を増やし、業績や給料を落とさず、週休3日制にする構想だ。
実現の鍵はAIだ。すでに、利用者に合った広告を判断し、配信する仕事はAIが担っている。今後は広告で培った技術を生かし、比較的単純な仕事を中心にAIによる作業をさらに広めていく。川辺健太郎副社長は「作業はAIや機械学習に任せて、人間は創造性の豊かなことをしていく。それによって週休3日を実現していきたい」と言う。
ヤフーは10月、東京・赤坂から同紀尾井町に本社を移したのを機に、次々と社員の働き方で新しい施策を打ち出している。社員の心と体の健康増進を担当する役職を設け、宮坂学社長が就任。社員の「住む場所の選択肢を増やす」として、通勤交通費を補助し、新幹線通勤を導入した。社員のスマートフォンに記録された歩行の運動量が多い社員に、社員食堂の利用で付くポイントを増やす予定だ。