熊本地震で打撃を受けた九州の観光業を支援する「九州ふっこう割」を使った宿泊が、7~9月の第1期分で約147万泊に達した。九州観光推進機構が15日、速報値として発表した。第2期分(10~12月)と合わせた目標は150万泊だったが、9月までにほぼ達成となった。
九州ふっこう割、販売好調 150万泊の目標「手応え」
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ふっこう割は、国費を使って宿泊費などを割引する補助制度。地震復旧のための国の予算を活用した180億円のうち約7割を7~9月にあてたが、想定以上の集客につながった。ただ同機構が旅行会社などに調査したところ、ふっこう割がなくなる来年1月以降は九州の宿泊施設への予約が前年の同時期よりほぼ1割少ない水準といい、反動減が懸念されている。
また、7~9月は宿泊者の7割超が九州内からで、東京や大阪など大都市圏からの観光客は十分戻っていない。同機構は、ふっこう割そのものが十分知られていないことも一因とみている。
ふっこう割は、熊本県と大分県で割引率を高くしている。大分県は7~9月で約51万泊と、12月までの目標だった40万泊を超えた。県の担当者は「別府も湯布院も建物被害などはほとんどなく、通常通り営業していることが伝わったのではないか」とみる。熊本県は約43万泊で、旅館などが営業を再開できている地域ではほぼ前年並みの宿泊者数に戻っているという。(角田要)