森友学園による小学校設置認可の申請取り下げを受け、財務省は土地の買い戻しに向けて10日から学園側と協議に入った。
特集:森友学園問題
財務省はもともと大阪府の私学審議会の議論や決定内容をみたうえで、買い戻すかどうかを最終判断するつもりだった。ところが、申請自体が取り下げられたため、「小学校の用地として使われないことが明確になった」(財務省幹部)と判断した。
財務省理財局によると、森友学園との売買契約では、3月31日までに土地を小学校用地として利用しなければ、国が土地を買い戻すことができるとされている。契約自体を解除することもでき、どちらかの規定を根拠に買い戻しを前提にした協議を進めるという。
国は売却価格の1億3400万円のうち、森友学園からすでに分割払いで頭金2787万円を受け取っており、同額を払って買い戻すことになる。ただ、学園側が違約金1340万円を支払う義務もあるため、国が支払うのは差額の約1400万円になるという。
問題は、ほぼ完成している校舎をどうするかだ。売買契約では国が買い戻す場合、学園が「原状」に戻す義務があるため、財務省は校舎を撤去して更地にするよう学園側に求める方針だ。学園側が拒否した場合は訴訟になる見通しで、決着が長引く可能性もある。