高架上を走り、東北新幹線(右)や上越、北陸新幹線とも並走する埼京線=さいたま市中央区、高山顕治撮影
「車輪の直径はどれくらい?」「レール幅は?」。大宮駅西口にある東北新幹線の車輪モニュメントを前に、地元大宮観光ガイド会の中島留男さん(69)がクイズを出した。
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耳を傾けるのは、地元の魅力を再発見してもらおうと、さいたま市大宮区が企画したツアーの参加者たち。ツアーでは、車両の修繕・検査を担うJR大宮総合車両センターなど、「鉄道の街」のスポットを巡る。
「大宮が鉄道で栄える」との願いが込められたという大栄(たいえい)橋から駅を見渡し、中島さんは言った。「大宮は分岐点。新幹線も在来線も、大宮を拠点に出会いと別れを繰り返すんです」
1885(明治18)年、現在の高崎線と東北線の分岐点として開業した大宮駅。機関庫、操車場などが整備され、日本の近代化を支える鉄道の街になった。1982年の東北・上越新幹線の開業で、小さな西口駅舎は3階建てに一新され、ビルが林立する一大商業地としての地位を固めた。
「実は新幹線以上に地元に恩恵をもたらしたのが、通勤者のための新しい路線、今の埼京線の開業なんです」。鉄道史を研究する跡見学園女子大副学長の老川慶喜さん(67)=さいたま市西区=はそう話す。
70年代、新幹線の騒音問題な…